2011年7月12日火曜日

江戸前天然うなぎの、お話。

本日の天然とらふぐは、
日本海 新潟水揚げ
活けふぐを、店内でさばきました。

さて。
当店で、扱いのあります、
江戸前天然うなぎですが、
本日は、その、お話。

すぐ近くに、
東京ディズニーランド、
向こうには、
葛西臨海公園の、観覧車。
仕掛けをかける、
その船の周りには、
ゆっくりと、動いていく、
他の漁船たち。
シャコ、アナゴ、コハダや、時にはクルマエビまで。
江戸前の、最高級のすしねた、と呼ばれる材料も、ここで採られる、
東京湾でも、湧き水のある、とっても限られた、地域。
ここが、
当店に運ばれてくる、江戸前天然うなぎの、漁場。

もうちょっとでも、川を遡れば、うなぎの味が泥臭くなっちまう。
潮の満ち引きが大事。
砂にうなぎがもぐれない深さが、大事。
ここだな、と、思う場所に、週に2度、仕掛けをかけて。
かかった時に、水揚げする。
当たりはずれの多い、あまり、儲けには、なりそうにない仕事。
漁をしている、一番の稼ぎ頭は、
90歳を超えて、ペースメーカーを付けているんだそうな。
いわゆる、
腰の曲がりきった、爺さんたちが、一生懸命育ててる、漁場。
大量生産、大量広告、なんていう、
ちょっと前までの、売り手主義なら、とっくに辞めてる、そんな漁場。

なぜ、
こうまでして、漁をしてるのか?
答えは、簡単。
そうしないと、海や川が、きれいにならんでしょ?
きちんとした物を採っていれば、分かってくれる人がいる。
きちんとした物を採るために、底泥をすくって、掃除して。
少しでも、それが流れる(流通する)ことで、
こうして海や川をきれいにする理由が、たつ。
そこが、大事。
にわか釣り師たちに知れて来られたら、
やつらは釣り糸を捨てて、針捨てて、魚場を荒らしてしまうから、
この場所は、絶対に内緒。
我々は、その反対。
『魚』で生活する、という事は、こういうこと。

これが、
「お前、変人だから、江戸前天然うなぎ、扱ってみろ」
そう、
ぶっきらぼうに、仲買の当時の社長に言われて、引っ張り込まれてから、
少しずつ、私が聞かされた、海の爺さんたちの、うなぎのお話です。

数少ない、江戸前天然うなぎを扱う、ということは、
マ、大変ですよ。
採れないときには、何週間も、なぁんにも、来ないし、
採れすぎた時にゃぁ、注文の倍も、黙って持ってきたりする。。。(笑)
でも、ね、
海や川がきれいになる、一番大事な、話。
私は大事な魚場には、絶対に行かない。
行かないで、遠くから、彼らの砦を守る事が、信用だから。
魚場は漁師の爺さんたちに任せ、
自分は黙って受け取って、
たまに「旨い!」って言える『粋』が、和を結んでいく、
そう考えたら、もう、ありがたくって。

江戸前天然うなぎ、本日も、入荷いたしました。